2021年12月25日土曜日

本を探す

 久しぶりにジブリのSさんから電話。

ご無沙汰しておりましたお元気ですかとか、ええ何とかやってますとか、コロナ禍でーといった世話ばなしをひとしきりした後でSさんのいわく、

   「ところでつかぬ事を・・・以前、宮﨑さんからこんな内容の本を贈られたことはなかったでしょうか? 実は今その本を探しておりまして、宮﨑さんが『たしかあいつのところにあるんじゃなかったかな』と言われているのですが、もしお持ちでしたら拝借願えればと思いまして・・・」

内容を聞いて、すぐに何の本か判った。

「その本でしたら知っています。ただその本は監督からいただいたのではなくて、僕から監督へ差し上げたものなんです」

   「そうでしたか!宮﨑さんの勘違いですね・・・」

「その本で間違い無ければの話ですが。監督がお持ちのはずなので、二馬力か第一スタジオのどこかにあると思うんですが、でもあの本の数ですもんね・・・買った方が早いですね」


正確な書名と出版元を調べてメールしますと言っていったん電話を切ったが、調べてみると3年前に初版の出たものがもう絶版になっていた。古書で検索するとべらぼうなプレミアムを載せて売っている。

再度電話を掛けて事情を説明して、

「こちらで同じ内容の本を探してみます」

   「すみません・・・。こちらでも探し直しますので」


その日、店を閉めてから本屋へ。運よく同内容の本を見つけたので、買って翌日ジブリへ送った。

「風立ちぬ」の公開以降、宮﨑監督は常々『俺の頭の蛇口はもう全開まで開けてる。でも出てくるのはちょびっとだ』と言われていた。それでもイマジネーションを引き出す多足になるのなら本でもなんでも送る。


本を送った日の夕刻、今度は新潟市内ではなく実家近くにある地元の本屋へ行ってみた。すると、絶版になって古書で3万近くの値段で売られているはずの本、監督へ贈ったのと同じ本が、当たり前のように棚に並んでいた。

二冊目は週明けに送った。

蓄音機の落書き

 スピーカーとアンプを土産に宮﨑監督を訪ねた折のこと。 帰り際に監督が「これ」と言って封筒を差し出した。 「なんですか?」 「それで一杯飲みなよ」 見ると、『お礼』と書かれている。上には朝顔蓄音機の絵が。 「駄目ですよ。土産の礼金なんて聞いたことないですよ。それに一杯どころじゃな...