「 プロフェッショナル・仕事の流儀」特別編は、先回放送時とは全く別の番組だった。正直なところ私には観ていて辛い内容だった。
自身の衰えを痛感しつつ前進ー監督自身の言葉どおり「這って」ーする度に、仕事で苦楽を共にした仲間が次々と先立って行く。
竹林さんの亡くなられた事を、私は昨夜の放送で初めて知った。その後番組の終わりまでを半ば茫然としながらどうにか観たものの、今も心の置き処が定まらずにいる。お世話になった方だった。
巨匠宮﨑駿ではなく、人間宮﨑駿を綴ったドキュメンタリーとしてこの番組は優れたものだったけれど、80代の人間に訪れる現実を目に彫り込まれるようだった。同じ時代を共に歩んだ仲間を死を隔てて失う辛さは、経験している私にも分かる。ただ、宮﨑監督にはそうした別れが何度も訪れる。そして、やがて静かな表情で自身の現在を受け容れる心境に至っては、私にはもう想像もつかない。
同じ経験をすれば私にも監督の心境が分かるだろう、もし、そこまで生きていたなら。生死を隔てた別れは誰にでも否応無しに必ず訪れる。そしてさいごは自分自身とも別れて死ぬ。情け容赦も無い、まさに監督の言われた通りの「生命へ込められた悪意」だ。
ひとつはっきり分かったのは、宮﨑駿は、番組の中で自身が言ったような、「ひょっとしたら初めから描けなかったのではと思うほどに描けなくなっ」た人ではなく、もうこのうえ線一本すらも引けないというところへ到達してしまうほどに描ききった人だということだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿