2020年3月31日火曜日

サルマタ

2月の半ば頃、4か月振りでジブリに宮崎監督を訪ねた。

「やあ、しばらく。元気だった?」

   「ええ、おかげさまでどうにか生きてます」

「ははは。よし、コーヒーだ。Sさん、行こう。おーい、Yさんも。コーヒー!」

   「しかし、なんだかおかしな事になって来ましたね」

「ああ、まあねえ・・・ナウシカみたいにみんなマスクして暮らさなきゃいけなくなるのかな。幸いこの辺はまだなんともないけど」

(この数日後、三鷹の森ジブリ美術館は臨時休館を発表する)

「こっち、ここ座るの」

   「あ、火鉢がある」

「お、来た。はい」

   「おお!でっかいマグカップ」

「うまいんだよ、ここのコーヒー」

   「いただきます」

「どう?商売は」

   「いやあ、厳しいですよ。不景気で。消費税も上がりましたし」

「店はどんな感じ?」

   「もう古いものだらけガラクタだらけですよ」

「サルマタなんか干してないの?」

           「宮﨑さん、サルマタは干さないでしょ」

「干してない?」

   「うーん、さすがにサルマタは」

「なんだあ、つまんないなあ」



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